英語公用化による企業の衰退化

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最近、会社内で、英語を公用語にする企業が増えています。
英語を公用語にするのは企業の勝手ですが、それによって決定的な欠点が生じている事に経営者は気づいていない。

海外ビジネスに進出する上で、英語は必要不可欠とは思いますが、
ある日突然、会社が英語を公用化にしたとしても、
すぐには英語を話せるわけでもなく、英語化に伴う社内の弊害ということに全く気付いていない。

社員の声を無視した、社内英語公用化の弊害について述べたいと思います。

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企業のコミュニケーションレス

まず、会議やプレゼン資料、その他諸々が全て英語になる訳です。
ここで、英語が出来ない人は、本当にこの会議を聴いて、本当に有意義な時間を過ごせると思いますか?

正直、英語が聴けない人にとっては、参加する意味はありません。
日本語で補足する訳でもなく、英語が延々に続く状態。
これが、まさに時間の無駄となる訳です。

会議は、社員の意見を述べる場であり、会社の意思を共有する場でもあります。

そんな大事な会社の意思を共有する場を、会社自身が貴重な機会を奪っているのです。

周りを見渡すと、ぼーっとしてどこを見ているか分からない人や、携帯をいじっている人、
すっかり夢の世界の住人になっている人が・・・そんな事はありませんか?

私はよく見かけましたよっ!

本当に有能な人がその価値を失う

英語公用化にする事で、英語ができる人が出しゃばってきます。
会議では英語を悠々に話し、一気に日の目を見る事に。

英語が出来ない役員が苦しい英語で発表した時、社員からひそひそと憐みの声が広がっている…。

そんな状態を見て、本当にそれでいいの? 
この会社、本当に大丈夫なのだろうか・・・?と社員は心配になってきます。
本来なら、上司は敬うべきもの。
こんな状態を見せられたら、将来の自分と重なるので、士気が下がります。

本当に有能な人材が正当に評価されなくなります。
英語ができる人>仕事ができる人、英語ができる人=仕事ができる人の状態の評価になり、
ちょっと英語が話せる人がどうしても目立つようになるので、大して仕事ができない人間の評価が上がるという状態に陥ります。

そこで、社員の不平不満に繋がります。
そして、有能な人材の流出に繋がります。

ライバル企業にとっては、良い人材を手に入れるチャンスが生まれるわけですね。
そこで会社のノウハウを一気にライバル会社に取られる事で、会社の衰退にもなりかねないのです。
英語が出来る人だけ会社に残り、中身空っぽな会社になります。

実際、英語話せない人は、仕事出来ない人か?会社に貢献出来ない人なのか?

そして、昇進に英語が出来る事が必須になってくると、
それがボトルネックになって、上を目指そうとしなくなります。
それをやるんだったら、別の会社で自分の熱中できる会社に転職した方が良いと思うようになります。

そもそも、会社が費用を出すわけでもなく、
仕事時間を使って学ばせるわけでもなく、
社員が英語を学ぶ環境に不平等があると、
上が意気込んでも、下が寒い思いをして、士気が下がります。

給料を多くもらっている人の方が、お金をかけてスクールに通うなりできますが…。

私の最大のジレンマは、プライベートまで会社の方針を強要されたくないということです。
自分の時間で英語を学ばなければなりません。
自分の時間を使うのだったら、まず、英語より技術を勉強したいよ。
それが本音です。

作業の非効率化

全ての会議資料が英語化、打ち合わせも英語化、それによって、
英語が出来ない人の作業の効率が今までの以上落ちることになります。

そうなると、一人当たりの負荷率が上昇し、当然人手が足りなくなり、
人材を補わなければならない状況に陥るのと同時に、必然的に単価が高くなります。
会社の損失は多大なものになるでしょう。

それが本当に会社の利益に繋がると思っているのでしょうか?
少なくとも、会社の成長率が鈍化して目標値に達成せず、それを人件費削減でごまかそうとしている会社が、
英語公用化と言っている余裕はないはずです。

本来やるべきことが疎かになる

英語が出来ない人は、勉強しろ。
そんな状況に追い込まれた時、会社の企画書のアイディアを考えるより先に、英語どうしようという不安の方がまず先に頭をよぎります。

そんな状況で良い施策やアイディアを考えられると思いますか?
英語化で個人の負担が大きくなった中で、
アイディアより、英語のパワポを書く事の方が億劫になります。

英単語テストで英語が話せるようになるのか?

なぜそういう流れになったのか分かりませんが、
週1回英単語50個を覚えてきて、英単語テストが始まりました…。
しかも、ビジネス英語・・・。

日常英語もままならない人間に、なぜいきなりビジネス英語の英単語テストを行わせるのか。
単語だけ覚えてきても、英語は話せません(おでこ談

社会人に、プライベートで東大受験並みの英語ノルマを課すとは残酷な事です。
どれだけ、社員のプライベートを犠牲にさせれば気が済むのか。
プライベートを大事にしている人にとっては、まさに地獄ですね。。

社内評価の混乱と焦り

社内は完全に焦りを感じることになります。
英語が出来ない人は、評価が上がることはありません。
昇給も英語が必須となっています。

会社は、相対評価のため、誰かがランクが上がれば、誰かが落ちる。
という事は当然、英語ができる人の評価が上がれば、出来ない人の評価が下がる訳です。

つまり、仕事が出来る人は、英語が話せる仕事が出来ない人と同列かそれ以下の評価になる訳です。

実際、社長が評価するわけではありません。
上司と人事が評価する事になりますが、
決定的に言える事は、社長の考えている方向と、下にいる部下の考えは必ずしも一致しません。

私が見るに、社長自身が会議で述べた事には共感したりする事はありますが、
上司の意思と食い違っている事が多く、
バケツの水がこぼれまくっているとはこの事で、社長の意思を上手に汲み取る事ができない上司が多すぎるという事です。

ここで、中間管理職の無能さを実感する訳です。

それでも、上司の命令には逆らう事はできません。
自分のなかで、この上司が言っている事は、社長の意思とは違うと思っていてもです。

そんな中で、更に英語化して大丈夫なのか。
日本語でさえ、意思疎通出来ていないのに、更に英語になったらどうなるのか、恐ろしいくらいです。

英語公用化で見えてきた企業の衰退

目標値に向かった仕事に集中しなければならない時に、
英語化によって、必然的にやらなければならない事が増えきます。

ただでさえ、会社の業績を上げるために、今の仕事+アルファの仕事をしなければならないのに、
英語がボトルネックとなって、個人が100%以上の力を出せなくなってきています。
完全英語化を控えている中で、会社の目標値が達成していないからといって、
大量に人件費削減をして誤魔化しているのでは、先が見えています。

英語化によって、無駄に工数とコストが跳ね上がる事を考えると、
会社に余程余裕がない限り、辞めておいた方が良いと言う私の結論です。
私のいた会社でさえ、このままでは会社の成長率の目標値に達せないといって大幅な人員削減をしてしのいでいるくらいですから、
英語化とか言っている場合ではないはず・・・。

公に見切り発車してしまった故に、後に引けない状態に陥っていたとしか思えません。

仮にもし、社員全員が英語を話せるようになったとして、
有能な外人を雇い、コミュニケーションが出来るかと言ったら、答えは否ですね。
実際、社内で文化の違いや仕事の価値観の違いなどで、日本人と仕事が合わずに辞めていく外人が多いと聞きました。
海外との取引の交渉などもできるはずもなく・・・。
では、一体何のために英語を?
会社が世界に羽ばたくため?

結局、英語化で跳ね上がった分を回収できずに、
中途半端で終わるんだなぁ~と思いました。
時間外で社員に負担させている時点で、法律違反ですけれど。

完全英語化になる事で、ますます会社内が切迫してくるでしょう。
それに気付いた頃には、もはや手遅れなのかもしれません。
有能な人材は早々に転職し、英語出来ても仕事が出来ない人間ばかりが残っている、中身がからっぽな会社では建て直しが利きませんよね。

以上、英語を公用化した会社にいた私の見てきたままをお伝えしました。

これから、英語を公用化した会社に転職したいとお思いの方、要注意です。
マスコミなどで脚光を浴びて、華やかに見えると思いますが、会社内の雰囲気は最悪です。

私の知り合いの中でも、転職を考えている人が多いです。
また、「退職までいるのは体力・精神的にきついから、最後まではいない。」と答えた人もいるくらい。
ベンチャー企業ほど、年をとったら体力・精神的についていけない会社が多いのも事実。

会社は何がしたいのか。
会社は社員に何をさせたいのか。
さっぱり分かりませんでしたし、
会社の将来が最早見えない状態で、先行きが見えた感じでした。

あと、後継者もいませんしね。
社長がワンマンなので、社長が辞めた後、それを維持できる人が育ってない気がします。

そして、離職率も高いです。
社長は離職率高くないと言っていますが、
実態は非常に離職率が高く、きっと社長レベルまで実態を報告していない(あるいは数字を使ったトリック報告を部下がしているか)から、
こういう差異が生まれるのだと思います。

私の中途同期が30人ちょっといて、メッセに残っていたのは5人程でしたね。。

企業が英語化するよりも、将来の人材を育てる投資をした方が良い。

大人になってから、英語を話せるようにさせるより、
将来、日本を背負う子供たちの英語もしくは多言語を勉強する環境に投資を行っておいた方が良いと思います。

会社の将来より、日本の将来に投資した方が良いかと・・・思いました。
結局、現状で英語化するには、コスト高と社員の負荷が高く、リスクが大きすぎます。

日本が海外に出ていくには、結局根っこの部分を成長させないと…。
現在、若者の海外留学など減っている現状を見ると、内向き傾向ですよね。

それに反比例して、企業は国際化。

真逆な方向にある状態を解消しないと、いつまで経っても日本、敷いては企業が国際化出来ないと思います。

【まとめ】英語化した結果、社員と企業が追うリスク

以上を纏めると下記のようになりました。

会社の成長の為に、国際化しなければ成長できないとは思いますが、
英語化→社員の負荷上昇→仕事が回らないOR集中できない→成長率鈍化→人件費削減
という負のスパイラルが既に始まっているようにも思います。

国際化のやり方変えないと、会社自身が危なくなるのではないでしょうか。
逆に競合企業の場合は、追いぬくチャンスですよ!

英語化するにあたって、社員が追うリスク

  • 普段の仕事+英語化
  • プライベートな時間
  • 英語が出来ないと昇進できない=給料上がらない、もしくは下がる
  • ランク落ち
  • 英会話スクール費用
  • 人件費削減による会社都合解雇

英語化するにあたって、企業が追うリスク

  • 社員の工数&コスト高
  • コミュニケーションレス
  • 士気低下
  • 有能人材の流出+競合会社にノウハウ
  • 成長率の鈍化(社員が普段の仕事+英語に追われる為)
  • 競合会社に地位を抜かれる
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