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convert_invalid_entities()

convert_invalid_entities() は、入力された文字列内に含まれる不正な HTML 数値文字参照(例: € など、Windows 特有の表現)を、該当する正規の HTML エンティティ(例: €:ユーロ記号など)へ変換します。

これにより、ユーザーが表示する際に正しい記号が出力され、ブラウザ間のフォールバック処理で発生する不一致を回避します。主にコメントや投稿本文、その他 HTML 出力時に適用されるフィルターとして利用されます。

目次

基本構文

関数の使用方法はシンプルで、テキスト(文字列)を引数に渡すと、変換処理後の文字列を返します。

<?php
$input_text = "This is an invalid entity: € and some more text.";
$converted_text = convert_invalid_entities( $input_text );
echo $converted_text;
?>

関数内部では、定義済みの変換テーブルに基づき、入力文字列内の不正な HTML エンティティ(例えば CP1252 固有の参照)を検出します。

見つかった文字参照が正規のエンティティに置換され、変換後の文字列が返されます。
すでに正しいエンティティの場合は変更されず、そのまま出力されます。

引き数と戻り値

引数説明
$contentstring(必須)変換対象となる文字列。ここには不正な HTML エンティティが含まれている可能性があります。
戻り値説明
なし(void(string)不正な Unicode 参照が変換された後の文字列。呼び出し元でそのまま表示もしくはさらなる処理に利用できます。

使用例

単純な文字列変換例

<?php
$raw_text = "Price: €100";
$fixed_text = convert_invalid_entities( $raw_text );
echo $fixed_text;
?>

この例では、"&#128;" といった不正な参照が、対応する有効なエンティティ(ここではユーロ記号の場合、&#8364; など)に変換され、結果として「Price: €100」と表示される可能性があります。

コメントの出力時の利用例

WordPress の the_contentthe_excerpt に適用される標準的なフィルターの中で、
convert_invalid_entities() は wptexturize() などと連携し、自動的に不正参照を修正しながら出力されます。

<?php
// 投稿本文はフィルターを通して自動的に整形されるため、内部的に convert_invalid_entities() も適用
the_content();
?>

ユーザーが入力した内容が HTML として出力される際に、不正な文字参照が正規のエンティティに変換され、正しい表示が保証されます。

注意点

フィルターの適用順序

すでに他のテキスト整形関数(例:wptexturize()convert_chars())で変換が行われた場合、二重変換が発生しないようフィルターの優先順位に注意してください。

入力内容の確認

もともと正しいエンティティに対して変換処理を行うと、意図しない置換が発生する可能性があるため、入力が「不正な HTML エンティティ」を含んでいるかを把握した上で利用する必要があります。

良く一緒に使われる関数

wptexturize()

$output = wptexturize( $raw_text );

タイポグラフィの変換を一括して行う関数で、内部で convert_invalid_entities() を呼び出しているため、同時にスマートな引用符やダッシュへの変換も実施されます。

convert_chars()

$new_text = convert_chars( $raw_text );

こちらもテキスト整形の一部として、指定された文字(引用符、ダッシュ等)を変換するために使用され、convert_invalid_entities() と併用することで、より正確な整形が行われます。

sanitize_text_field()

$safe_text = sanitize_text_field( $raw_text );
echo convert_invalid_entities( $safe_text );

ユーザー入力をサニタイズした後に、タイポグラフィや不正なエンティティの変換を行う際に利用され、全体の整形およびセキュリティを高めます。

想定されるトラブル

二重変換による文字化け

すでに wptexturize() convert_chars() で変換処理が行われたテキストに対して、さらに convert_invalid_entities() を適用すると、意図しない置換や二重エンティティが発生する可能性があります。

解決方法

フィルターの適用順序を見直し、必要なタイミングでのみ convert_invalid_entities() を実行するようにしてください。

非文字列データの処理

関数に文字列以外のデータを渡すと、予期しない動作またはエラーが発生することがあります。

解決方法

関数呼び出し前に、対象データが文字列型であるかどうかを確認するなど、入力の型チェックを実施してください。

Q&A

convert_invalid_entities() はどのような場合に必要ですか?

主に、Windows CP1252 などで発生する不正な HTML 数値参照を含むテキストの出力時に、正規のエンティティに変換して正しく表示する場合に利用されます。

この関数を直接呼び出すケースはどのようなシーンですか?

独自のテキスト整形処理や、フィルターを介さずに直接不正エンティティの修正を行いたい場合に、スクリプト内で直接利用できます。

出力フィルターとの併用で注意すべき点は何ですか?

テキスト整形系のフィルター(wptexturize など)と重複して処理が行われると、二重変換のリスクがあるため、フィルターの適用順序や条件分岐で意図した処理のみが実行されるよう調整する必要があります。

まとめ


convert_invalid_entities() は、WordPress におけるテキスト整形の重要な処理のひとつで、不正な Unicode 数値参照を正規の HTML エンティティに変換します。

これにより、ブラウザ間の違いや入力時の不具合による文字化けを防ぎ、コンテンツの正確な表現を実現します

wptexturize()convert_chars() との連携により、ユーザーが入力したテキストをより自然で読みやすい形に整えるために利用され、出力前の整形処理の一環として、自動的に適用されるケースが一般的です。

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